2016 10/18
今日の午前中のオペは歯根破折して保存不可能な左下4番の抜歯、ソケットプリザベーションです。
患者様は将来的にインプラントによる治療を希望されましたので、骨の吸収を極力押えて顎骨を保存するこの術式を選択されました。
ただ、!この患者様は狭心症の為に抗血小板薬のバイアスピリンを処方されておられました、PTINR(プロトロンビン時間)を測定させて頂きました所、1,0と問題ありませんでしたので笑気鎮静下で問題なくオペ終了です。
[★一応PTINRを測定させて頂きましたが、PTINRは抗血小板療法の方の確立した検査法ではありません、(抗凝固薬療法には確立した検査法です)
ただ抗血小板薬を継続して外科処置を行っても重篤な出血性合併症を発症する危険性は少なく、
むしろ抗血小板薬を休薬させた場合の方が、」脳梗塞、心筋梗塞を発症するリスクは上昇してきます、血管収縮剤添加の麻酔薬をしっかり使用することで対応が可能と考えます。)
★一般的に血液サラサラにする薬と言いますと、大きく分けて抗血小板薬、抗凝固薬、血栓溶解薬の3種類があり、脳血流障害や虚血性心疾患の治療、またこれらのオペ後の再発を防止する目的で、使い分けられ投薬されております。
まず抗血小板薬(バイアスピリン、バッファリンなど)は主に★動脈にできる血小板血栓の予防の為です。
抗凝固薬(ワーファリン、エリキュースなど)は主に★静脈にできる赤色血栓(フィブリン血栓)の予防の為です。
血栓溶解薬(ウロキナーゼなど)は正に詰まってしまった血栓を溶かす働きをします。(梗塞を起こした直後1~4時間の間の緊急投与で20%前後の方が後遺症なしで社会復帰できているとの報告もあります)
★オペを行う上に於いて術中、術後出血が一番問題となってくるのが抗凝固薬服用の方です
、★抗凝固薬の方が血液凝固因子であるトロンビンの生成を阻害しますので一般的にPTINR値が高くなってきます。
2,5前後にコントロールされている場合が多いのですが、3を大きく超えない限り休薬なしでのオペは可能です。しっかりした密な止血縫合、場合によっては止血用シーネの術前の準備なども考慮しておく必要があるでしょう!!
最後の画像はインプラントオペ後の定期チェックに来院された患者様です、ご了解の上で画像をアップさせて頂きます、お二人とも綺麗に磨けており全く問題なしです。
特に最後の画像の患者様の左下4,5,6,7部は埋入後今年で15年目に入りますが快調に噛み込めておられるそうです、良かったですねーしっかり定期チェックを行い一生使用し続けていけるよう管理させていただきます!!!。